(※出産編)陣痛を待ち望む女

夫が来るまでは、母が付き添ってくれた。色々と細々とした忘れ物を持って来て貰ったり、大変お世話になる。しかし陣痛も始まらないのでつまらなくなった母は夫の到着を待たずに「お腹減ったし」と言って帰って行った。母も今日一日疲れたのだろう。母が帰ってからは、看護師さんにも動いていいよと言われたので、とにかく動き回る。何って陣痛がまだ始まらないのだ。お産のために付き添ってくれたり駆けつけてくれたりする人がいるというのに、肝心のお産が始まらないのでは意味が無い。大体もう破水しているんだし、いくら感染予防の薬を飲んでいるといってもこのままの状態が続いては赤ちゃんにとっても悪かろう。「早く陣痛来い、陣痛来い」と念じながら歩く。しかし、後になってこの時の自分をぶん殴ってやりたいと思う程の事態に突入するのであった。皆さん、陣痛って始まるのが遅ければ遅いほどいいものですよ。